症状に関する知識

2021.11.19

変形性膝関節症とは?その症状や原因、改善・治療方法を学ぼう!

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こんにちは!大阪府高槻市「平川接骨院」柔道整復師の林です。

 

現在、膝の痛みがつらくて困っているという方、もしくはご家族がこのような症状で辛そうにしているという方はいらっしゃいませんか?

 

その症状、もしかすると変形性膝(ひざ)関節症かもしれません。

しかし変形性膝関節症と言われても、いったいどんな病気なのかわからないという方もいらっしゃるでしょう。

 

そこで今回は、変形性膝関節症について解説します。

どんな症状があって、何が原因で起こるのか。そして、改善法・治療法や予防法まで詳しく紹介します。

変形性膝関節症

 

 

変形性膝関節症とはどんな病気?どのような症状がある?

まずは、変形性膝関節症がどういった病気なのかを知ることから始めましょう。

診断の方法や症状についても詳しく解説します。

 

変形性膝関節症とは

変形性膝関節症は、膝の関節同士のクッションの役割がある軟骨が、加齢や筋肉の衰えによってすり減って痛む病気です。

 

男女比は1:4で、女性に多く発症し、高齢になるほど発症する割合も高いです。

 

軟骨がすり減ると、膝関節の骨と骨のすきまが狭くなります。

そして軟骨の内側の骨が露出し、骨のふちにトゲ状の突起物ができたり骨が変形したりします。

 

また、すり減った軟骨のかけらが関節の潤滑剤である関節液に混ざり、関節のまわりをおおう関節包(ほう)という膜の内側を刺激し炎症を引き起こします。

 

その結果、関節内に黄色い粘りのある液体が分泌され、いわゆる「水がたまった」状態になってしまいます。

 

変形性膝関節症の診断

変形性膝関節症は、医師による問診や触診、レントゲン検査の結果で診断されます。

 

問診では、膝の痛みの強さや歩きづらさなどの自覚症状を確認します。

 

触診では、医師が実際に膝の関節を触りながら次のことを観察します。

  • 膝関節の内側の痛み
  • 膝を曲げ伸ばしした時の動きの範囲(関節可動域)
  • 腫れや熱感がないか
  • 関節が変形していないか
  • 関節の不安定性

 

レントゲン検査は、膝関節の状態を目で観察するために行います。

 

変形性膝関節症を診断する場合、レントゲン写真で次のようなことを観察します。

  • 軟骨の下にある骨(軟骨下骨)が硬くなっていないか
  • 関節の隙間が狭くなっていないか
  • 関節の骨がトゲ状になっていないか

 

また、必要に応じてMRI検査や関節液検査、血液検査が行われることもあります。

 

変形性膝関節症の症状

変形性膝関節症は、時間をかけて進行していく病気です。

 

病状の進行具合は「初期」「中期」「末期」の3段階に分けられ、病状が進むにつれて、症状も変化していきます。

どのような症状があるのか、段階別に解説していきますね。

 

初期症状

変形性膝関節症の初期段階の主な症状は、膝のこわばりです。

 

朝起きて体を動かし始めた時や歩き出そうとした時に「膝が重くて動かしにくい」「鈍い痛みを感じる」などの症状を生じます。

 

動作を続たり少し休んだりすることで症状がおさまることも多いため、気づきにくいのですが、症状が進むと階段の上り下り・方向転換・正座をした時などで、特に膝の内側に痛みを感じるようになります。

 

中期症状

時間が経つと落ち着いていた膝の痛みが、なかなか改善しにくくなってきたら、中期に進んでいる可能性が高いです。

 

痛みがより強くなり、正座やしゃがみ込みなど膝を曲げる姿勢・動作、階段の歩行などが辛くなってしまいます。

 

関節の中でも炎症が進むので、関節内に水がたまって膝のむくみが目立つようになり、腫れや熱感などの症状もみられるようになります。

 

さらに軟骨がすり減ることで摩擦が増え、歩いていると膝のきしむ音を感じるように。

膝を動かしている間はずっと痛みが続くため、動作が不自由になってしまいます。

 

末期症状

末期にくると、膝関節の軟骨はほとんどなくなってしまいます。

その結果、膝関節の骨と骨が直接ぶつかるように。

 

膝の変形もさらに進むため、見るからもわかるほど目立つようになります。

 

この段階に来ると膝をピンと伸ばすことができなくなり、歩く・座る・しゃがむなどの動作が難しくなってしまいます。

 

日常生活がままならなくなり、外出するのも困難に。

精神的にも大きな負担を感じてしまう方もいます。

 

 

変形性膝関節症はなぜ起こる?原因を知ろう!

変形性膝関節症 原因

変形性膝関節症の原因は、膝に負担がかかり続けることで軟骨がすり減ることです。

 

膝の軟骨がすり減るのにはさまざまな原因があります。

どのような原因があるのか、詳しくご紹介していきましょう。

 

肥満

人が歩くとき、膝には体重の3〜5倍の力がかかっています。

体重が重ければ重いほど膝への負担も増加し、軟骨がすり減り、変形性膝関節症を発症してしまうのです。

 

姿勢やO脚

猫背など、歩く時の姿勢の悪さも膝への負担を大きくしてしまいます。

また、日本人に多いO脚も膝の内側に体重がかかりやすく、内側の軟骨が傷つき発症しやすいと言われています。

 

加齢

年齢を重ねると、関節の中にあるヒアルロン酸が減少します。

 

ヒアルロン酸は関節の中の関節液に多く含まれていて、関節の動きを滑らかにする役割を持っています。

軟骨に栄養を補給する役割もあります。

 

関節にとって大切な役割を持つヒアルロン酸がなくなっていくことが、軟骨が傷つきすり減っていく原因となるのです。

 

運動不足

運動不足も、変形性膝関節症の原因の1つ。

日頃から運動不足だと、足の筋肉が衰えてしまいます。

 

運動不足は肥満の原因にもなり、ますます膝に負担をかけてしまうことに。

その結果、膝に大きな負担がかかって軟骨が傷つきやすくなってしまうのです。

 

性別

変形性膝関節症の発症率の男女比は1:4で、男性に比べて女性の方が発症しやすい傾向にあります。

 

女性は男性に比べて筋力が弱いため、軟骨に負担がかかりやすく、すり減りやすい状態です。

さらに、閉経などで「エストロゲン」の分泌量が減ってホルモンバランスが変化することも影響していると言われています。

 

遺伝

遺伝的因子と環境因子の相互作用で発病する「多因子遺伝病」であることも明らかになっており、現在では病気の起こりやすさを事前に予測することができる新たな原因遺伝子が発見されています。

 

遺伝子多型では変形性関節症のリスクが 1.8倍になるとも言われています。

 

 

変形性膝関節症の治療や改善方法について学ぼう!

変形性膝関節症の治療

変形性膝関節症は、時間が経つにつれてどんどん病状が進行してしまいます。

 

はじめはほとんど気にならないほどの痛みだからと放置してしまうと、取り返しのつかないことになってしまうかもしれません。

そうならないためにも、早めの治療や改善のための対策が必要です。

 

変形性膝関節症の治療方法

変形性膝関節症の治療は、痛みを軽くして膝関節の機能を改善させ、日常生活への影響を少なくすることです。

治療の方法には、理学療法・薬物療法・手術療法があります。

 

理学療法

変形性膝関節症に対する治療法の1つである理学療法には「生活指導」「運動療法」「装具療法」「物理療法」があります。

 

生活指導

生活習慣を改善するためのさまざまなアプローチを通して、膝の痛みの改善を図ります。

 

例えば、変形性膝関節症の原因の1つである肥満を改善させるために、食生活の見直しや運動量を増やすこと、日常生活の中で膝への負担を減らすこと(杖を使う・トイレを洋式にする・正座をひかえてイスを使うなど)への指導も行います。

 

運動療法

膝関節の周りの筋力強化と関節への負担軽減を目的に行います。

治療ではSLR運動(脚あげ体操)を中心に行い、太ももの前面にある大腿四頭筋を鍛えていきます。

 

装具療法

原因がO脚の場合には、装具を使った治療が行われます。

膝の内側にかかる体重の負荷を逃がすために足や靴に装具を装着し、体重のかかる部分を変えて膝への負担軽減を図ります。

市販で売っているものもあるようですが、専門医の指導を受けて使用するのが良いでしょう。

 

物理療法

熱の刺激を使って膝の痛みや炎症をやわらげる治療法です。

温熱療法と寒冷療法があり、温熱療法では膝を温めて血のめぐりを良くして痛みを和らげ、寒冷療法では冷シップや冷やしたタオルで膝を冷やして痛みを改善します。

 

薬物療法

変形性膝関節症に対して行われる薬物療法は、内服薬・外用薬・関節内注射です。

 

内服薬での治療の主な目的は、痛みや炎症を抑えることです。

非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)や解熱鎮痛剤、強い鎮痛薬のオピオイドなどの薬が使われます。

 

外用薬も、痛みや炎症を抑える目的で使用され、塗り薬やシップ薬の中の痛み止め成分を皮膚から吸収させて痛みや炎症を和らげます。

 

関節内注射は、膝の関節内にヒアルロン酸やステロイド薬を直接注入するときに行われます。

変形性膝関節症はヒアルロン酸が減少して関節の動きが悪くなるため、注射で補充して関節の動きを滑らかにすることで、軟骨を保護し膝の痛み・炎症を抑えることができるのです。

ステロイド薬の注射は、膝関節の炎症がひどく痛みが強い場合に行われます。

炎症を抑える働きが強いので、より早い改善が期待できます。

ただし、繰り返し注射すると関節の軟骨に悪い影響を与えることもわかっているため注意が必要です。

 

手術療法

膝関節の炎症や変形がひどい場合には、手術療法が選択されることもあります。

手術の主な方法は「関節鏡視下(かんせつきょうしか)手術」「人工膝関節置換(ちかん)術」「高位脛骨骨切り(こういけいこつほねきり)術」です。

 

関節鏡視下手術

半月板の損傷や関節の内側にある膜の炎症が痛みの主な原因である場合に行われます。

 

この手術では膝に小さな穴をいくつか開け、中に小さなカメラ(関節鏡)を入れます。

そして関節内の様子を見ながら、軟骨のかけらを取り除きます。

 

また、半月板などに損傷があれば縫ったり切除したりすることもあります。

傷が小さいので体への負担が少なく、入院期間も短いというメリットがあります。

 

人工膝関節置換術

軟骨がすり減ってしまった関節の表面を切除して人工関節に置き換える手術です。

膝の関節が大きく変形し、痛みで歩くことが困難になってしまった場合に行われます。

手術後のリハビリで日常生活は可能になりますが、膝に負担のかかる仕事やスポーツ、正座を避けるなどの制限が必要となります。

 

高位脛骨骨切り術

O脚で膝の内側に負担がかかっている場合に行われる手術です。

すねの骨の一部を切ってO脚を矯正し、膝の内側にかかっていた体重の負担を軽くする目的で行われます。

 

接骨院(整骨院)での改善方法

主に病院で受けることのできる治療法について解説してきましたが、実は接骨院(整骨院)でも変形性膝関節症の治療を受けることができます!

 

例えば、平川接骨院では筋肉の痛みに着目して治療を行います。

変形性膝関節症の痛みは、実は骨そのものの痛みではなく膝関節の周りの筋肉からくるものなんです。

 

膝の関節が変形すると、体の重心がぶれてしまいます。

このぶれを支えるために、膝関節のまわりの筋肉にかかる負担が大きくなり、痛みを生じてしまうのです。

 

当院では、膝の内側にある内側広筋という筋肉にできる「トリガーポイント(痛みの原因となる筋肉のしこり)」に対する治療を行っており、トリガーポイントを見つけて筋肉への血流を促す手技治療を行います。

 

そして、筋肉の奥深くを緩めるための鍼治療・ハイボルト治療などを行い、筋肉の緊張をほぐして痛みを取り除きます。

 

再び痛みを生じさせないために、筋力トレーニングやストレッチを行って筋力の強化も図ります。



変形性膝関節症は予防も可能!自分でできる予防策もチェック

さて、ここまで変形性膝関節症に対するさまざまな治療法について解説してきましたが、やはり一番大事なのは発症する前に予防すること!

 

ここからは、変形膝関節症を予防するためのポイントについて解説します。

自分でできるものばかりなので、ぜひ参考にしてください!

 

予防のポイント①膝のまわりの筋肉を鍛える

変形性膝関節症を予防するために大切なのは、膝の周りの筋肉を鍛えること。

 

膝のまわりの筋肉が衰えてしまうと、膝の痛みや運動不足の原因になってしまいます。

元気に歩いて生活するためにも、日頃から足を鍛えておきましょう!

 

トレーニングの方法には、次のようなものがあります。

太ももの筋肉トレーニング その1

  1. 椅子に座ります
  2. 片方の膝を無理のない程度に伸ばし、足を床から10cmの高さまでゆっくり上げて5〜10秒間止めます
  3. ゆっくり足を下ろします
  4. 2・3の動作を20回繰り返し、反対の足も同じように行ってください

 

太ももの筋肉トレーニング その2

  1. あお向けの姿勢で、片膝は直角にまげ、もう片方は伸ばしておきます
  2. 伸ばした足をゆっくり上げて、床から10cmくらいの高さで5〜10秒間止めます
  3. 足をゆっくり下ろします
  4. 2と3の動作を20回繰り返し、足を入れ替えて同じように行ってください

 

膝のまわりの筋肉トレーニング

  1. 椅子に座り、こぶし2つ分くらいの幅に丸めたタオルを両膝ではさみます
  2. 丸たタオルを内側につぶすように膝に力を入れて、5秒間止めます
  3. 2の動作を10回繰り返してください

 

予防のポイント②膝の曲げ伸ばしを改善させる

筋肉を鍛えるだけでなく、関節の動きを整えることも予防として大切!

膝の動きをなめらかにし、曲げ伸ばしを改善させるためのストレッチを紹介します!

 

膝のまわりの筋肉を伸ばすストレッチ

  1. 仰向けの姿勢になります
  2. 片方の太ももの裏を両手でかかえ、痛みのない程度に胸に引き寄せて5秒間止めます
  3. 2の動作を5〜10回繰り返し、反対側も同じように行ってください

 

太ももの裏側の筋肉を伸ばすストレッチ

  1. 足を広げて座り、片方の足は曲げ、もう片方は伸ばします
  2. 背筋を伸ばしたまま、伸ばした足のほうに体を倒して10秒間止めます。
  3. 2の動作を5〜10回、反対側も同じように行ってください

 

予防のポイント③ 生活習慣を見直す

変形性膝関節症の発症や悪化には、生活習慣も大きく関わっています。

そのため、普段の生活習慣を見直すことが発症や悪化の予防にとても重要です。

 

まず、肥満気味の方には食生活を見直すことをおすすめします。

繰り返しになりますが、肥満の状態は膝に大きな負担をかけてしまいます。

そして、痛みのために運動量が減りさらに太るという悪循環に陥りがちです。

野菜・きのこ類、海藻類を1日350g以上食べる、ゆっくり良く噛んで食べる、腹八分目にする、寝る2~3時間前までに食事は済ませるなど、ぜひ食生活を改善してみてください。

 

畳での寝起き・正座・和式トイレなどの生活様式も、膝関節に大きな負担がかかりやすくなってしまいます。

ベッドや洋式トイレへの変更、椅子を使うなど、洋風の生活様式を取り入れることも膝への負担軽減につながりますよ。

 

また、関節が冷えると痛みが強くなることも。

サポーターの装着や入浴で膝を温め、血行をよくすることが悪化の予防になります。

 

膝の痛みを軽減させるのには、杖を使うことも有効です。

痛くない側の手で杖をつけば、痛みがある側の膝の負担が軽くなります。

膝の痛みや歩きにくさが気になり出したら、杖を取り入れてみるのも1つの方法です。

 

 

変形性膝関節症を改善するには、早めの対策が重要!

変形性膝関節症は、膝の関節に大きな負担が加って軟骨がすり減ることで起こる病気です。

その原因は加齢や性別、遺伝など防ぐことができないものだけでなく、肥満・運動不足・姿勢といった生活習慣が関わっていることも。

 

また、痛みがあってもすぐに改善するからといって放置してしまうと、どんどん悪化してしまいます。

変形性膝関節症の改善や予防のためには、早めの治療や生活習慣の見直しが重要なのです。

 

大阪府高槻市の平川接骨院では、変形性膝関節症を改善するための「トリガーポイントリセット整体」を提供しています。

もちろん施術だけでなく、ご自宅でもできるケアの指導やSNSでの情報発信も行っています。

 

歩行時や運動時に膝の痛みを感じる方はもちろん、病院で痛み止めをもらったけど痛みが改善しない方、もう治らないと諦めてしまっている方は、ぜひ平川接骨院へお気軽にお問い合わせください!

 

この記事を書いた人

ハヤシ ヒロカズ林 宏和

<経歴>
2007年4月 平川接骨院 入社
2012年7月 久我の杜平川接骨院 院長
2018年6月 平川接骨院 本院 院長
2019年4月~ 人材部部長

関西で16店舗の平川整体院グループ人材部部長
業界歴15年、全国の学生採用から入社後の技術研修、教育を担当

・柔道整復師 鍼灸師免許取得 
・体表解剖学研究会 修了
・社内体表解剖研修 担当
・ハワイ大学人体解剖研修 修了
・韓国大田大学人体解剖研修 修了

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