こんにちは!大阪府高槻市「平川接骨院」柔道整復師の林です。
皆さんは、腰痛を中高年の方だけの症状だと思っていませんか?
実は腰痛は、10代の若い世代にも起こる症状。
その原因のひとつとなるのが、「腰椎分離症」です。
「腰椎分離症」は、10代やスポーツ選手に多い症状で、辛い腰痛や下肢痛を引き起こす可能性があります。
そこで今回は、この「腰椎分離症」について、症状や原因、治療方法を詳しく解説していきましょう。
目次
腰椎分離症とは?症状を詳しくチェック
まずは、腰椎分離症がどのような病気なのか、また、どのような症状が現れるのかをご紹介します。
そもそも腰椎のつくりはどうなっている?
人間の背中では、首からお尻にかけて伸びる長い骨が体を支えています。
これは、椎骨(ついこつ)という小さな骨が積み重なったもので、脊椎(せきつい)と呼ばれます。
いわゆる背骨ですね。
脊椎は、上から7個が頸椎(けいつい)(第1〜第7頚椎)、そこから下12個が胸椎(第1〜第12胸椎)、さらにそこから下5個が腰椎(第1〜第5腰椎)に分類されます。
脊椎の中でも負担がかかりやすい腰椎の大きさは、頸椎の3倍にもなります。
また、脊椎を構成する椎骨(ついこつ)は、前方が円柱状の核に、後ろ側がリング状になっているのが特徴。
後ろ側のリングの中には脊髄神経が通っていて、このリング状の部分は、椎弓(ついきゅう)と呼ばれます。
腰椎分離症は、脊椎の中の腰椎の椎弓(ついきゅう)に関する症状です。
腰椎分離症とは
腰椎のつくりを確認したところで、腰椎分離症とはどんな病気なのか見ていきましょう。
腰椎分離症は、腰椎にあるリング状の部分である椎弓(ついきゅう)が、前方の核から分離してしまった状態のことを指します。
腰椎への負担によって、腰椎のリング状の部分に亀裂が入り、椎弓(ついきゅう)が疲労骨折してしまうのです。
5つある腰椎の中でも、一番下の第5腰椎に発症しやすいと言われています。
腰椎分離症は、10代の、特にスポーツをする人に多く見られる症状です。
腰椎分離症が進行すると、「腰椎すべり症」を発症する恐れもあります。
◆腰椎すべり症とは
腰椎がすべってずれることによって、神経が通る脊柱管(せきちゅうかん)が狭くなり、中の神経が圧迫され、下肢の痛みや運動障害、腰痛等が引き起こされる病気のこと。
腰椎分離症の症状
腰椎分離症の主な症状は、腰痛です。
病期ごとに症状を表で見てみましょう。
初期(分離発生後) |
ズキッとした腰の痛み 叩打痛、圧痛 腰を反らせた時の痛み 狭い範囲の腰の痛み スポーツ中、スポーツ後の腰痛 等 |
中後期(完全に分離した後) |
腰痛(分離部の炎症) 下肢痛、しびれ 分離部に水が溜まる 長時間座ったり立ったりすることが困難になる 等 |
腰椎分離症では、椎弓(ついきゅう)に亀裂が入った直後には、限定的な腰痛の症状が出ます。
また、症状が進行し、椎弓(ついきゅう)が完全に骨折し分離してしまった後には、その部分の腰椎はグラグラの状態(偽間接・ぎかんせつ)に。
分離部が炎症を起こしてひどい腰痛を引き起こし、患部に水が溜まってしまうこともあります。
さらに、骨に棘ができて、それが神経と触れることによる下肢の痛み・しびれも発生し、日常生活に困難が生じます。
このように、腰椎分離症は病期によって症状が異なり、その治療方法も変わってきます。
椎弓(ついきゅう)が完全に分離してしまうと、治りにくくなってしまうため、早期治療が必要です。
腰椎分離症になる原因とは?
前述の通り、腰椎分離症は、腰椎の椎弓(ついきゅう)が分離してしまう症状のこと。
では、この椎弓(ついきゅう)の分離はなぜ起こるのでしょうか。
腰椎分離症の原因は、椎弓(ついきゅう)の疲労骨折です。
椎弓(ついきゅう)のリングの斜め後ろ部分は構造上強度が弱く、腰を反らせたりジャンプして着地したりした際に、大きな負荷がかかります。
その負荷が積み重なることによって、やがて椎弓(ついきゅう)のリング部分に亀裂が入り、腰椎分離症を発症してしまうのです。
一般的に、以下のような人は腰椎分離症を発症しやすいと言われています。
- スポーツ選手
- 成長期の10代(小学校高学年〜高校生)
スポーツでは、腰を回したりジャンプしたりする動作が多く、どうしても腰椎に負担がかかります。
そのため、野球やサッカー等のスポーツをしている人は、腰椎分離症を発症しやすい傾向にあります。
実際、一般の人での腰椎分離症発症率は5%程度であるのに対し、スポーツ選手の発症率は30〜40%に及ぶとも言われています。
また、成長期である10代に発症が多いのも大きな特徴。
成長期の体は、大人に比べて構造が弱く柔らかいためです。
さらに、腰椎分離症になる人には、以下のような特徴も多く見られます。
- スポーツの練習量が多い人
- 股関節が硬い人
- 体力が低い人
- 伸展時痛がある人
腰椎分離症は放置してそのまま日常生活を続けると悪化する可能性が高く、腰椎すべり症や腰椎椎間板ヘルニア等の発症に繋がる恐れもあります。
腰痛が2週間以上続く場合には、腰椎分離症を疑い、まずは整形外科を受診するようにしてください。
腰椎分離症を治療する方法と予防策も解説
辛い腰痛や下肢痛を症状とする腰椎分離症ですが、発症したらどのような治療が行われるのでしょうか。
また、日常的な予防策はあるのでしょうか。
ここからは、腰椎分離症の治療方法と予防策についてご紹介します。
腰椎分離症の治療方法
腰椎分離症が疑われる場合、まずは整形外科を受診してください。
整形外科では、問診や理学検査、レントゲン、MRI、CT等によって、腰椎分離症かどうかの診断を行います。
腰椎分離症と診断された場合は、骨折している椎弓(ついきゅう)の骨をくっつけるため、コルセットなどを用いて患部を固定します。
スポーツは中止し、日常生活を安静に過ごしてもらうことになります。
また、症状によっては、鎮痛剤やブロック注射を用いることもあります。
強い痛み等の症状がない場合には、腹筋や背筋を強化するトレーニングを行うこともあります。
腹筋や背筋は腰部を全面と背面から支えるコルセットのような役割を果たすため、これらを鍛えることで、腰への負担を緩和することが可能です。
ただし、ひどい腰痛や下肢痛やしびれが見られ、日常生活に支障が生じている場合には、上記のような保存的療法ではなく、ボルトで患部を固定したり神経の圧迫部分を取り除いたりするための手術が必要になることもあります。
平川接骨院での治療
平川接骨院では、整形外科の検査結果に、当院での問診・触診・動診の検査結果を合わせて、ひとりひとりの体の状態に合った治療法を提案します。
なぜなら、腰椎分離症によって生じる可能性のある痛みは、骨折による痛みだけではないからです。
腰椎分離症によって腰椎がグラグラになっていると、それを支えるため、腰回りの筋肉に大きな負担がかかります。
負担がかかり続けた筋肉は、硬くなって血行不良を起こし、痛みの発生源(トリガーポイント)となる可能性があります。
骨折ではなく、筋肉が痛みの発生源となっているのに、骨折部分の固定だけで治療を済ませてしまえば、痛みは改善しません。
筋肉が原因の痛みは、患部の血行を促進することが大切。
そのためには、手技や鍼、ハイボルト治療等が有効です。
当院では、慎重な検査で痛みの原因を正確に把握し、症状の早期改善のための最善の方法で施術を進めていきます。
腰椎分離症を予防するには
最後に、腰椎分離症の予防策についてもご紹介しておきましょう。
腰椎分離症を予防するには、過度な腰への負担を減らすことが大切です。
具体的には、以下のような方法が挙げられます。
- 腹筋、背筋を強化する
- 股関節の柔軟性を高める
- スポーツの動作を見直す
- コルセットを装着する(腰に負担がかかる動作時)
前述の通り、腹筋や背筋の強化は腰への負担軽減に効果的です。
また、ストレッチ等で股関節をはじめとした体の柔軟性を高めておくことも有効でしょう。
腰へ負担のかかるスポーツをする時には、今一度その動作を見直し、必要に応じてコルセットを活用するようにしてください。
腰椎分離症の痛みは、原因に合った治療・施術が大切
腰椎分離症とは、腰椎の椎弓(ついきゅう)というリング状の部分が椎骨(ついこつ)の核部分から分離してしまった状態のこと。
腰痛や下肢痛といった症状が見られ、進行すると腰椎すべり症等の病気を引き起こすこともあります。
腰椎分離症は成長期の10代やスポーツ選手に多く、その原因は、日常生活やスポーツで腰椎に大きな負荷が蓄積されたことによる疲労骨折です。
この疲労骨折を癒合させるために、固定と安静が基本の治療方法になります。
ただし、腰椎分離症に伴う痛みは骨折によるものだけではありません。
患部をかばう周りの筋肉が痛みを引き起こしているケースもあります。
平川接骨院では、丁寧な問診や触診でひとりひとりの症状を正確に把握し、骨折の痛みには骨折の痛みに合った施術、筋肉の痛みには筋肉の痛みに合った施術を行います。
なかなか良くならない腰痛や下肢のしびれにお悩みの方は、大阪府高槻市の平川接骨院にご相談ください!
経験豊富な資格保有者による施術で、辛い症状の早期改善を目指せます。